血管が逃げる人の採血のコツをお教えします!
採血の際、血管が見つからなかったり、血管が逃げてしまったりすることは少なくありません。患者さんの負担を軽減できるよう、採血のコツを身につけることが大切です。
本記事では血管が逃げる人の採血のコツのほか、採血前の準備、注意点などを紹介します。
血管が逃げるときは適切な対処が大切
血管の逃げやすさは患者さんによって異なります。血管が逃げやすい患者さんの場合、以前採血で嫌な思いをしたという方も少なくありません。患者さんのストレスを軽減するためにも、採血で血管が逃げるときは適切に対処することが大切です。
血管が逃げる人の採血のコツ
血管の逃げやすさは患者さんによって異なります。血管が逃げやすい患者さんの場合、以前採血で嫌な思いをしたという方も少なくありません。患者さんのストレスを軽減するためにも、採血で血管が逃げるときは適切に対処することが大切です。
ここでは、血管が逃げる人の採血のコツを6つ紹介します。
1. マッサージなどで温める
マッサージを施すと血管がふくれ、針が刺さりやすくなります。また、腕を40度ぐらいのタオルで温めるのもよいでしょう。患者さんの腕を心臓より下になるようにして、うっ血させるのも効果的です。
なお、採血前、患者さん自身に手を握ったり開けたりを繰り返してもらう「クレンチング」を行うと、正確なデータを得られなくなる可能性があります。採血前のクレンチングは避けた方がよいでしょう。
2. 血管を指で触る
指で血管に触って太さを確認するとともに、弾力もチェックしておきましょう。
血管の太さは見た目だけでは分かりません。針が刺さりやすい場所を探すためにも、必ず指で触って血管の太さを確認します。また、弾力性がないと針が刺さりにくいです。高齢者の場合は、血管が脆弱で針が刺さりにくいケースもあります。
3. まっすぐな血管を選ぶ
人によって血管の走行は異なります。なるべくまっすぐな血管を選びましょう。ケロイドなどの怪我の有無や左右差などを見極め、適切な部位を選択することが大切です。
なお、杖をついている患者さんの場合は、杖をつかない方の腕から採血したほうがよいでしょう。
4. 駆血帯を締める
必要な場合は駆血帯を締めましょう。駆血帯を締めると血管が膨張し、針が刺さりやすくなります。適切な圧がかかるよう注意してください。
5. 血管を逃がさないよう針を素早く刺す
針をゆっくり刺すと血管が逃げやすいため、採血時は針を素早く刺します。血管が逃げてしまう場合は、左手親指で皮膚を手前に引き、血管が動かないように固定しましょう。
6. 採血が終わるまで、患者さんに手を握っていただく
患者さんに手を握っていただくと、手指からの血流が増え、血管がよりハッキリ見えやすくなります。
手を開いてしまうと血流が弱くなったり、急に手を開いたことによって腕が動き、針が血管から外れてしまうことがあります。採血中は、患者さんに無理のない範囲で手を握りつづけてもらいましょう。
採血前の準備
採血前に、患者さんの姿勢をある程度固定すると採血しやすくなります。ベッドの高さや周りの柵を動かすなど、患者さんはもちろん、医師・看護師も楽な姿勢で採血できるように準備しておくことが重要です。
また、患者さんとコミュニケーションを取り、リラックスさせることも心がけましょう。患者さん自身に、普段どこから採血しているか聞くのもおすすめです。
採血の注意ポイント
ここでは、採血の注意点を3つ紹介します。
1. アルコールに弱い患者さんは別手段で消毒する
アルコールに過敏な患者さんにアルコール綿を使うと、赤くなる、かゆくなる、はれるなどの症状が出る場合があります。採血によるストレスはなるべく取り除くべきです。アルコールに弱い患者さんを採血する際は、アルコール綿以外で消毒しましょう。
2. 採取の時間は短めに
血液の採取時間が長くなると血液凝固が起こり、血液の性状が変化してしまうため、血液の採取時間は2分間以内がよいといわれています。
採血に慣れてない方は、どうしても採血に時間がかかりがちです。なるべく素早い採取を心がけましょう。
3. 真空採血管の採血は逆流に注意!
真空採血管で採血する際は、逆流しないよう、患者さんに下記のような姿勢を取ってもらいましょう。
座位の場合:腕が下向きになる姿勢
寝ている場合:上半身を起こし、腕が下向きになる姿勢
スムーズに採血して患者さんからの信頼を得ましょう
採血をしようと思っても血管が逃げてしまうケースは少なくありません。マッサージなどで温めること、血管を触って適切な部位を見極めることなどが採血のコツです。血管を上手に固定し、素早く針を刺すようにしてください。
スムーズな採血は患者さんからの信頼にもつながります。血管が逃げるときも慌てずに落ち着いて、最適な方法で採血を行いましょう。