先輩には今更聞きにくい?薬の効果や副作用:アスピリン編

アスピリンは消炎鎮痛作用のほかに抗血栓作用がある薬剤で主に循環器内科や神経内科でよく使用されている薬剤です。
その分副作用や適切な看護をしっかりと身につけておかないと適切な看護はできません。
このページではそんなアスピリンの作用・副作用、看護のポイントをお話したいと思いますので是非参考にしてみてください!

先輩には今更聞きにくい?薬の効果や副作用:アスピリン編

アスピリンとは

そもそもアスピリンとはアセチルサリチル酸の事で、ドイツの製薬会社「バイエル」が名付けた名称です。
この薬剤は消炎鎮痛作用や抗血栓作用を持っており、用量や血中濃度によってどちらの効果を期待できるか異なるものでもあります。

アスピリンの消炎鎮痛作用

非ステロイド抗炎症薬の分類される薬剤で、炎症を抑え、腫れ・痛み・発赤・発熱を軽減させる作用があります。
体内でプロスタグランジンという物質が合成されると、炎症や発熱が起こりますが、アスピリンはプロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害する作用があります。
そのため、アスピリンを服用すると、炎症や発熱を抑えることができるのです。

【主な使用例】
関節リウマチ、リウマチ熱、術後疼痛、頭痛…etc

アスピリンの抗血栓作用

アスピリンは血小板の凝集や血管壁の収縮を促すトロンボキサンの作用を抑制する作用があります。
そのため、血小板の凝集が抑制され、血栓ができにくくなるのです。

【主に治療に使用されている疾患】
狭心症・心筋梗塞・心筋梗塞虚血性脳血管障害・川崎病…etc

副作用について

ここまでお話すると非常に便利な薬剤ですが、それと同時に副作用を知っておかないと非常に怖い薬剤でもあります。
そのうちの一つが【消化管潰瘍】です。
アスピリンを使用すると胃の血流量が減少してしまう為、消化管潰瘍ができやすくなってしまうのです。

ほかにもどの薬剤でも起きうるアナフィラキシーショックや喘息発作の誘発、血小板の凝集しにくくなる事での出血傾向(または止血しにくくなる)があります。

そういった特性を知って都度対処ができるように看護をしないといけないのです。
そのために必要なのはまず事前確認です。

アスピリンを服用しても問題はないか

過去の既往歴を確認し、以前にアスピリン喘息や過敏症を起こしていないか、胃潰瘍などの消化性潰瘍が出来ていないか、出血傾向がないか。ほかにもある確認事項を一つ一つ確認して服用する必要があります。

アスピリンを服用しても問題はないか

脳出血や消化管出血、鼻出血等出血傾向の症状はでていないか。

出血傾向があるとアスピリンの作用上出血傾向を増長させることがあります。
目に見える部分だけではなく歯茎や皮下出血などもしっかりと確認をしましょう。

脳出血や消化管出血、鼻出血等出血傾向の症状はでていないか。

呼吸状態の観察

先程にもお伝えした通りアスピリンの副作用に喘息の誘発があります。
過去にアスピリン喘息を起こしたことのない人でも突然喘息を発症するケースがあります。
基本的には服用から1時間以内に症状が現れ、急速に症状が悪化することもありますので、服用後は呼吸状態を観察する必要があります。

呼吸状態の観察

服薬指導

アスピリンは内服薬で退院後も継続して服用してもらうケースがほとんどです。
そのため、患者への正しい服薬指導をすることが一番重要となるのです。
用法や用量、飲み忘れた際の対処法、副作用の怖さ。
こういったものをしっかりと患者だけでなく家族を巻き込んで、しっかりと理解を得られるようにしてください。
特に出血傾向の副作用についてはしっかりと脳出血や消化管出血などのリスクを伝えておくと、もし脳出血や消化管出血が起こった特は早期受診に繋がり、重症化を防ぐことができます。
しかし、リスクだけを伝えると患者はアスピリンが怖い薬と思いこみ、自己判断で服用を中止してしまうこともあるのです。

だからこそ適切な情報提供、正しい服薬指導を行うようにしましょう!

服薬指導

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