とても重要な患者さんに行う最後のケア。エンゼルケアの目的と流れ

看護師として勤務していく中で一番最初は病棟勤務という事が多いかと思います。
その中でも避けて通れないのが患者さんの逝去ではないでしょうか?
もちろん担当科にもよりますが見知った患者さんがこのようなことになった場合、専門の方にお願いすることが多いですが、看護師さんで行うことも多くあります。
最後の看護と言われているエンゼルケアで本人にもご家族にとってもいいお別れになるようにお手伝いをしましょう。

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エンゼルケアとは

エンゼルケアとは・・・
逝去されセルフケアのできない患者さんに、本人が望むであろうセルフケアを、尊厳を厳守し少しでも綺麗に見送れるように本人に代わってケアをする事。

その中で大事なのは患者さんやご家族がどういった希望で、どういった形で見送りたいのか、です。
エンゼルケアを行う際は看護師が抱くイメージを優先しがちですが、あくまで大事なのは形式ではなく送る、送られる人の気持ちです。
生前の患者さんや、元気だったころのお話をご家族に聞いて意向を最優先しましょう。

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エンゼルケアの流れ

死後に行うケア「エンゼルケア」には様々な処置があります。
例えば闘病生活の中で人工呼吸のためのチューブをしていた方、胃管などをされていた方。処置内容や病気の症状で傷や症状が身体に残っている方もいらっしゃいますが、こちらも可能な範囲で元気な頃の患者さんに近づけられるようケアを行いましょう。

治療の準備

① 療養末期

エンゼルケアの準備は主治医が本人や家族に対し、死が遠くない状況であることを判断、説明をする段階から準備が始まります。
エンゼルケアとはそういったご家族を手助けするという仕事もあるのです。

【療養末期の注意点】
臨終時と臨終後の看護計画の作成をこの時点で行う場合は「もしも」、「万が一」という文面で会話しあくまで死を直結で連想させないように最大限注意しましょう。
またもし、本人や家族の意向で希望の衣服への着替えを希望されている場合は準備が間に合わないなどにならないよう主治医からの説明の後にお話しすることをお勧めします。
実際にこう言った内容に関しては心の準備があるので早めに教えてほしいという意見もあります。

② 臨終時

本人がなくなって主治医が死亡確認を行う際、いくら心の準備をしていても感極まる瞬間です。
こちらの光景はきっとご家族にとっては忘れることのできない瞬間になりますので、手を止め姿勢よく、ご家族と一緒に厳粛に受け止め、そして医師と一緒にご家族に一礼をしましょう。
またこの際に体調を崩されるご家族の方もいらっしゃいますのでその際のケアも必要になってきます。

③ お別れとお過ごしの時間

患者さんが逝去された際は必ず患者さんとご家族のみでお過ごしいただく時間を確保します。
その際はできるだけ医療器具ははずし、モニターや点滴台などは室外へ出し、お顔の近くで対面ができるようスペースを確保しましょう。
そして不明点を確認の上、退院までの説明をします。
最後にお過ごしの時間の説明をして静かに退出してください。

【お過ごしの時間の注意点】
酸素マスクやチューブなどを外す際には生前の頃と同じように「お外しします」など、ご家族の方もふまえ声かけをして、ご家族の方が否定的でなければ速やかに外してください。
またお過ごしの時間はご家族の方がゆっくりとご対面いただけるよう椅子を人数分用意しておきましょう。

④ 全身のエンゼルメイク

元々エンゼルケアは「死に化粧」という意味で使われていましたが、現在は「全身の身だしなみを整える」という意味に変わり、ご家族同席の下または希望される場合はご家族とともに行います。
その際はご家族の意向を都度確認しながら行い、可能であれば身体や頭部を支えてもらいながら一緒に看取ってもらいましょう。
そして速やかにケアを行い、乾燥対策のお化粧などを施しましょう。

【エンゼルケアの注意点】
死後硬直は1時間程度で徐々に始まります。
硬直後はお着替えなどができなくなる可能性もあるためご家族に配慮しながらも可能な限り速やかに行ってください。

次回はエンゼルケアの実施項目と手順に関してお話させて頂きます。

いかがでしたでしょうか?
エンゼルケアは患者さんの最後のオシャレです。
今まで頑張ってきた患者さんと、それを支えてくださったご家族への敬意と配慮を忘れずに向き合いましょう。


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