基礎だからこそ聞きにくい?!part2
まさに患者さんの命綱!中心静脈カテーテルの目的と手順
看護師としてお仕事していく中で、患者さんの看護だけではなく医師の補助も必要となってきます。その際に行われる一つに中心静脈カテーテルというものがあります。
今日はこの中心静脈カテーテルについてお話させて頂きます!
中心静脈カテーテルとは?
中心静脈カテーテルとはCVカテやCVCと略されることが多く、上大静脈、下大静脈という心臓に最も近い太い静脈に挿入するカテーテルの事を言います。
上大静脈、下大静脈は太く、血流豊富で抹消静脈を使用する輸液よりも血管炎を起こしにくい為、抹消静脈経由が困難な輸液や高カロリー輸液、急速な大量輸液などの安定した輸液や薬剤の投与が期待される処置です。
また中心静脈カテーテルは点滴や採血などと違い、一度穿刺したらそのまま留置することができるため、患者さんの負担の軽減にも繋がります。
そして中心静脈栄養を目的とされるものは「IVH」、血管確保の場合は「CVC」と略します。
主な穿刺場所
主な穿刺場所は下記の4カ所あり
- 内頸静脈
- 鎖骨下静脈
- 尺側皮静脈
- 大腿静脈
それぞれどの場所で行うかによりメリット、デメリットがあります。
内頸静脈
気胸の合併が発生しにくいが、鎖骨下より常在菌が多く髪の毛やひげなどに細心の注意が必要でまた首も固定しておく必要がある。
鎖骨下静脈
固定しやすく、首を動かしても影響が出ないので患者さんの負担が少ない反面、気胸を起こす可能性が高くなる。
尺側皮静脈
気胸や血胸を起こす可能性が低くヘパリンロックが不要ですが、肘を曲げてしまうと滴下の状態が不安定になったりカテーテルが迷走してしまう危険性があります。
大腿静脈
穿刺の合併の可能性が少なく心肺停止の際によく穿刺される箇所でもあります。
しかし陰部からの感染の可能性が高く、下半身の運動が制限されてしまう為、深部静脈血栓を起こす可能性があります。
4カ所の中では一番難しい箇所かもしれません
中心静脈カテーテルを行う際は感染のリスクを低くするため、必ず入浴やシャワーで身体をキレイにしてもらい清潔を保つよう促しましょう。
事前にスタッフ全員で流れを確認することも大切です。
必要な準備
- メディカルキャップ
- マスク
- 手袋
- 滅菌ガウン
- 消毒液
- 消毒綿
- 穴あきドレープ
- ピンセット
- 防水シーツ
- 注射針
- 注射器
- 麻酔薬
- カテラン針
- 中心静脈カテーテル
- 閉鎖式輸液ライン
- シェアプラグ
- ホスピタルガーゼ
- 縫合針、糸
- はさみ
- 持針器
- ドレッシング材
- パルスオキシメーター
中心静脈カテーテルは医師が行う為、内容を確認して患者さんの体勢を調整します。
この時にトレンデレンブルグ体位をとり、頸静脈をうっ滞させることで静脈が膨張し穿刺しやすい為、患者さんに説明しながらベッドを調整しましょう。
穿刺箇所に防水シーツを敷き、その際枕などを使って穿刺しやすい角度に調整することも大切です。その後エコーで穿刺場所を確認してマーキングしておきましょう。
これでカテーテル挿入の準備は完了です!
挿入の際は感染防止に努め、消毒も広範囲に内から外に向けて行います。
その後穴あきドレープを掛けてカテーテルを医師に渡して開始です。
その間に生理食塩液を薬杯に注いでおきましょう。
ここまでの流れをスムーズにすることによって、より短時間で患者さんの負担も少なく済みます!
いかがでしたでしょうか?
ここまでは中心静脈カテーテルの準備までのお話をさせて頂きました。
この続きはまた次回にお話しできればと思います!!
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