ナース一年目の基本!心電図の見方と読み方
以前にコラムでお話したカルテも同様ですが、1年目の看護師さんにまず必要なのは読み解く力です!
以前はカルテのみをお話しましたが、読み解くのはカルテだけではありません。
今日はそんな読み解く力が必要な心電図のお話をさせて頂きます!
心電図とは?
心臓には自ら電気信号を発生して心筋に伝達する、刺激伝導系と呼ばれる機能があり、私たちがよくドクン、ドクンと表現する音はこの機能により収縮・拡張が行われている証拠です!
この運動によって心臓は全身に血液を送り出し、心電図はその刺激伝導系から発せられる電気信号を身体表面に貼付した電極で測定、それを波形として記録しています!
また心電図といっても様々な種類があり主に使用されるのは
- モニター心電図
- 12誘導心電図
- 運動負荷心電図
- ホルター心電図
となります。それぞれ特徴があり
- 持続的なモニタリングに使用され急変等のリスクがある患者さんに使用されるモニター心電図
- 1回の検査で12種類の波形が確認でき、健康診断や術前検査など体の状態の確認に使用される12誘導心電図
- 心臓の負荷を確認でき、主に安静時には表れない異常を感知する運動負荷心電図
- 24時間の波形を記録でき、不整脈や狭心症の発見に役立つホルター心電図
また最近では年単位で確認ができる植込み型ホルター心電図などもあります。
一言心電図といっても用途が色々とありますので、その場面に応じた心電図があります。
記録紙とは?
心電図は1mm四方の小さなマスを1コマとして、5mmごとに太い線が入っています。
毎秒25mmずつ動いていく記録紙は横軸で時間、縦軸で電位を表しており横は1mm=0.04秒、縦は1mm=0.1mVとなります。
また心電図では様々な波形があるため正しく判読する力が重要となってきます。
P波
心房の収縮を表すP波は前半で右心房、後半で左心房の動きを表します。
QRS波
心室の興奮を表すQRS波は最初の下向きの波形をQ、続く上向きの波形をR、最後の下向きの波形をS波といい、心室の収縮をR、収縮の終わりをSが示しています。
T波・U波
収縮が消失し、もとに戻る様子をT波が表します。山形の波形になるのがこのT波です。
そのT波に続いて現れるのがU波ですが、こちらは正常の際は見られないという事もあります。
そして先程お話しした、P波の開始からQRS波が開始されるまでの時間をPQ間隔といい、心房の収縮が心室に伝わるまでの時間を表します。
そしてQRS波の開始からT波終了までの時間をQT間隔といい、心室収縮の始まりから消失までを表します。
そして最後はQPS波から次のQRS波までの時間をRR間隔といい、収縮から収縮までの時間を示します。
このように色々な波形と確認方法があるためより簡潔にしっかりと覚える必要があります。
また基準値も知っておくと異常が出た際にすぐに気づくことができますので覚えておきましょう!
心拍数 | 1分あたり60回以上、100回未満(1500/RR間隔) |
---|---|
P波 | 幅2.75mm、高さ2.5mm未満 |
QRS波 | 1.5mm以上2.5mm未満 |
PQ間隔 | 3mm以上、5mm未満 |
ST部分 | 基線上 |
QT間 | 0.36秒以上、0.44秒未満 |
最後に
心電図では不整脈や虚血性心疾患、心筋異常や心室肥大等、心臓の動きに関する様々なことが発見できます。
カルテと同じく読み取る力と知識が必要になる心電図ですが、これを覚えていることで患者さんの容態をより早く理解することが可能です!
まだまだ奥が深い心電図・・・他のご説明はまた次の機会に!!
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