以前勤めていた病院は急性期でした。
やはり忙しくバタバタしていて自分のペースで患者さんと接することができず…
患者さんのことを知る前に退院していかれるのが辛く退職しました。その時、「自分は看護師に向いていないのではないか…」と悩んでいて。
このままではいけないと就職フェアへ参加したしました。そこで大阪発達のお話を聞いたんです。私の考えを伝えると「自分のペースで働いたらいいよ」と声をかけて頂きました。その際に施設内の写真も見せてもらい、スタッフや患者さんがみんな笑顔でとても明るい印象を受け、見学に行くことを決めました。
実際に見学に来ると、写真通りみなさん笑顔で！
その姿を見て、「ここでもう一度看護師をしたい！」と思い入職しました。

入職後1年位は全く余裕がありませんでしたね（笑）
慣れてきてからは、当たり前のことかもしれませんが利用者さんと目線を合わせてお話したり、話せない子には手を触ったり「脈拍がいつもより高いな…」と感じたりすることで日々の変化を感じています。そこで看護師同士で情報交換をしたり、利用者さんのお母さんから情報を得たりしています。ここは特に人と人との関わりがとても強いなと思います。

最初に受持ちを持たせてもらった小学校高学年くらいの年齢の利用者さんのことはとても印象に残っています。入職してすぐでした。そこから2、3年関わりがあったんです。
今まで嫌がっていたことができるようになったり、自分の意思表示ができるようになったり…と、時間をかけて自らできることが増えていったことは本当に嬉しかったです。
他のスタッフと情報や意見を交換し知識を持ち、ちょっとでもその子が良いように変化していく努力をスタッフが続けていくことで、利用者さんの気持ちの表し方も増えてくる…そんな風に時間をかけて関わることができるのはこの病院ならではだと思います。

その利用者さん以外でも長期で入院される方が多いです。なのでちょっとした変化でもみんなで喜んで、「次はこれができるんじゃない？」と相談し合い、本当にできるようになっていく。
利用者さん自身もその成功体験で嬉しくなってまた新しいことに挑戦していく…その過程を目の前で見て共感し、一緒に喜びながら次につなげていくことが1番のやりがいです。

入職当時は、意思疎通がスムーズに行える方が少ないので、声掛けをしても相手が思っていることと違っていて怒らせてしまったりもしました。
その度、「向いていないのかもしれない」と思うこともありました。一般看護と重症心身障がい者の看護は違うので、その勉強不足もあったと思います。

私の利用者さんとの関わり方が正しいのかもわからないので、その患者さんがお母さんや他のスタッフが関わっている所を観察するようにしました。
「私がしたら嫌がっていることでもあの人がしたら笑っているな」、
「これが嫌だったからこういう反応をしたのかな？」など試行錯誤しながらの毎日で。
また、ご家族からお家での様子を聞いたり、利用者さんのしぐさの意味を覚えたりすることで慣れるように努めました。
そうするとご家族から「この前、こんなのことで喜んでいたんです！」とおっしゃって頂いて。すごく嬉しかったのを覚えています。またす悩んでいた時に先輩に「一緒に帰ろうか」、「次はできるよ」と声をかけて頂いたりしたことも大きな励みになりました。

今後は自分もしてもらったように人が困っているときは声をかけ、自分の知識を人に伝えいきたいですね。

一度退職して自信を無くしている方は、不安なことは一旦考えず（笑）！
ぜひ病院見学などに参加されたらよいと思います！
色々な病院に行くと視野も広がるので…。
この施設に入職し7年間、看護師でなければできない体験を沢山させていただきました。患者さんやご家族の辛さに寄り添い「自分に何ができるのだろうか」と考えられるのは貴重な経験ですし、今では看護師になって良かったと心から思っています。